事例_大手バイオテクノロジー企業様

弊社は、大学、製薬企業、警察や国の研究機関を顧客とし、実験や研究用の試薬・キットを提供しています。特にトーシン様にお預けしている警察向けの製品群は、年間7万〜8万ピースに及ぶ物量であり、警察の入札や配送計画に基づき、然るべきタイミングでの納品が求められます。

最大の課題は品質保証です。これらの試薬は事件現場のDNA鑑定に利用されるため、もし間違ったものが混入すれば、裁判の結果や冤罪につながる可能性があり、品質が厳密に保証されることが最重要事項です。

また、コロナ禍では、厚生労働省からの直接発注によりPCR検査キット試薬の大量在庫を1年間切らさないよう準備する必要が生じました。これは通常の弊社倉庫では収容しきれず、一時的な大量在庫保管能力の確保が緊急の課題となりました。

主に警察向けの試薬製品の保管を依頼しており、トーシン様の冷蔵（2～8°C）や冷凍（-20°C）に対応できる温度管理倉庫を利用しています。都内近郊（杉並）に常温と温度管理倉庫を併設されている点も特徴です。

保管に加え、品質保証のための細やかな付帯作業もお願いしています。中身を開封しない状態での外観検査を実施いただいており、具体的には、ダンボール外箱のダメージに対応するための外箱の交換（原品）や、外箱と内容物ドキュメントのボックス番号の食い違いを修正する作業です。また、納品の際には、警察関係者の立ち入り検査への対応もしていただいています。

特にコロナ禍においては、PCR検査試薬の大量在庫について、一時預かりのような形で緊急時の物流体制を支えていただきました。

トーシン様は、検品の依頼などに対し、非常にフレキシブルかつ真摯にご対応いただいています。

特に「足回りが軽い」、つまり様々な依頼を引き受けて対応していただける点について高く評価しております。コロナ禍の緊急対応時においても、トーシンさんの自社倉庫の空きがあったことが、一時的な大量在庫保管場所として非常に有効でした。スタッフの皆様も、新しい案件のご相談から通常のレポーティング業務に至るまで、概ねしっかりとお仕事にご対応いただいています。

長期的には、弊社の事業拡大を見据え、以下の4点について期待しています。

1. 薬事関連案件への対応: 現状ご対応いただけていない、医薬品販売業や製造業といった薬事法にかかわる業許可の取得。

2. 品質管理体制の強化: 温度管理品について、競合他社と比較し、GDP（適正流通基準）レベルでの対応など、品質管理システムの更なる向上。

3. 付加価値作業の拡充: 共通ラベルを貼るなどの簡単な部品作業や加工など、対応できる作業の増加。

4. システム連携とデジタル化: 在庫管理システムと、弊社や代理店のシステムをシステム対システムで連携できる電子対応の強化。手動や紙、Excelベースのやり取りから脱却するためのシステム投資に期待します。

もちろんコストとのバランスは課題ですが、今後これらのサービスが拡充されることで、更なる協力関係を深められることを期待しています。